About Mukcyen

「Mukcyen(ムッシャン)」は、
デザイナーの苗字の中国語「mù cūn」をもとにした造語です。
抽象的で無意味なこの言葉には、自らが築く歴史と文化を附与することで、
無類の意を与えていくという、実直な思いが込められています。
人の複雑性や、時の流動性に着目し、
生の力を信じるがあまりに傾く、死への情念を起点に、
カルト映画や文学といった文化的な要素を交差させながら、独自の人間像を生み出します。
それは、人間関係とその在り方を共有し、希求するような、
“装い”として立ち現れます。

- Designer -

1998年東京都生まれ。
中国・福建省にルーツを持ち、幼少期を同地で過ごす。
10代より日本に定住。文化服装学院を卒業後、
国内のデザイナーズブランドにて約4年間、企画職として従事。
商品開発、素材選定、生産調整など一連のプロセスに携わる中で、
衣服が人の感覚や状態とどう共振するかに関心を深める。

その後、自身のブランド「Mukcyen」を設立し、
2024/25年秋冬シーズンにデビューコレクションを発表。
構造と感覚、身体と衣服のあいだに生じる
“違和感”や“境界”をテーマに、服づくりを行っている。

 SNS文化を背景に、学生時代からセルフィーという形式を通じて、
スタイリング、ヘアメイク、AI生成などを独自の世界観を
感性豊かに発信。ブランド設立以前から「美意識の共有」を
続けてきたこの姿勢は、Mukcyenの創作活動の原点にもなっている。

また、多様なアイデンティティや感受性を尊重した服作りを
大切にしている理由に自身がバイセクシュアルであることに繋がります。
性別や職業、年齢といった枠組みに縛られず、
それぞれの“生き方に沿う構造”を模索する姿勢が、
Mukcyenの価値観と表現の基盤となっています。